私をアルマトイへ誘う推し、Ваня Дмитриенкоの話

青い光と暖かい灯りを背景に置かれた白いヘッドホン ロシア語・異文化
写真:Evgeniy Bezkorovayniy / Unsplash

このブログで何度も名前だけ登場している人がいる。

Ваня Дмитриенко
(Vanya Dmitrienko/ヴァーニャ・ドミトリエンコ、またはワーニャ・ドミトリエンコ)。

カザフスタンのアルマトイまでライブを見に行くことになったきっかけの、例の推しである。

そろそろ「で、そのВаняって誰なん?」となりそうなので、今回はこの人の話をしたい。

最初はずっと、古いロシア語の曲を聴いていた

去年、ロシア語を勉強し始めたばかりの頃、言葉に慣れるためにずっと古いロシア語の曲を聴いていた。

「モスクワ郊外の夕べ(Подмосковные вечера)」とか、
「百万本のバラ(Миллион роз)」とか。

情景が頭に浮かぶような素晴らしい曲たちで気に入っていて、本当にずーっとエンドレスで聴いていた。今でも好き。

ちなみに、「ロシアという国が好き」なのかというとちょっと違う。国が好きなのではなくて、言葉や音楽や映画、好きなものをそれぞれ追いかけている感じだ。

そんな中である日、ふと思った。

別に、古い曲ばっかり聴かなきゃいけないわけじゃないよな。

せっかくロシア語を勉強しているなら、今その言葉で作られている音楽も知りたい。現代の若い人たちは、どんな曲を「かっこいい」と思って聴いているんだろう?と。

その感覚がわかれば、好きな俳優 ユーラ・ボリソフの見ている世界を覗き見ることができるかもしれない。

そうだ、モスクワのTop 100を聴こう

そこで思いついたのが、Apple Music。

「東京 Top 100」みたいな都市別のランキングがあるでしょう。じゃあ、モスクワもあるんじゃない?

探してみたら、やっぱりあった。モスクワ Top 100。

何が流行っているのか全然分からないなら、とりあえず上から順番に聴いてみればいい。ということで、片っ端から再生していった。

そして最初に思ったのが、

ちょいダs……すいません。

いや、これは完全に個人の好みの話なんだけどね、なんとなく2010年代くらいに流行っていたような音作りの曲が多いように感じたんだ…

うーん。これも、これも違うな。……と聴いていた。

その中で、一曲だけが光っていた

ところが、一曲だけ、

「え、なんこれ。めっちゃかっこいいやん!」

と思った曲があった。

それが、Ваня Дмитриенкоの「Шёлк(シルク)」だった。

最初に聴いたときから、明らかにそれまで流れていた曲と印象が違った。音が今っぽい。ちょっとアンニュイな響き。

なにより、ちょっと掠れたようなこの声、いいね。

ロシア語の意味なんてほとんど分かっていない。それでも、好き。と思った。

完全に、ひと聴き惚れだった。

この人誰?

こうなると当然、追っかけ癖のある私のやることは決まっている。

アーティスト名を押す。他の曲を聴く。検索する。

彼の名前はВаня Дмитриенко。

読み方はヴァーニャ・ドミトリエンコ。

2005年生まれ(若っ!!)のロシアの歌手。

代表曲のひとつ「Венера-Юпитер」は2021年のロシアのApple Music年間ランキングで3位。同じ年に音楽賞「Золотой граммофон(金の蓄音機賞)」を史上最年少で受賞したそう。

さらに2023年には、17歳でロシア版Forbesの「30 Under 30」音楽部門に選ばれている。かなり有名な人だったのね。詳しくはForbesの紹介記事にて。

ちなみに日本で名前を見たことがある人がいるとしたら、フィギュアスケーターのカミラ・ワリエワさんとの熱愛説かもしれない。スポーツ記事でも「ロシアの人気若手歌手」として紹介されたことがある。ただ、交際していたかどうかは分からない。

そして私は、そんな話も実績も何も知らずに「Шёлк」から入った。

この人、他にどんな曲歌ってるんやろう?と聴き始めて、

「Силуэт」
「Цветаева」
「Многоэтажные чувства」
「Венера-Юпитер」

……あれ。どの曲も良い!好きな曲、いっぱいある〜!

と、気づけばプレイリストにВаняがどんどん増えていった。

「現代のロシア語の曲を聴いてみよう」だったはずなのに

そもそもの目的を思い返すと、「今のロシア語圏ではどんな音楽が聴かれているんだろう」だった。

もっと遡れば、「ロシア語を勉強したい」だった。

さらに邪念まで含めれば、「俳優ユーラ・ボリソフが生きている文化圏を覗いてみたい」だった。

それがモスクワのランキングを開いて、たまたま「Шёлк」を再生して、Ваня Дмитриенкоという人を見つけて。曲を聴くようになり、ライブ情報まで追いかけるようになり、そして現在。

私はこの人のライブを見るために、カザフスタンはアルマトイまで行くことになっている。

何をやっているんですか?

…ええ、本能の赴くままに生きてるんですよ。

さすがに、ロシア語の勉強を始めたときは、まさかランキングで偶然見つけた歌手を追いかけて、カザフスタンについて延々調べることになるとは思っていなかった。

たぶんВаняを知らなかったら、アルマトイについて調べる記事も書いていない。

ということは、今このブログにアルマトイの記事が並んでいるのも、だいたい彼のせいである。

というわけで、Ваняです

そんなわけで。これまでの記事に名前だけ登場していた「推し」とは、Ваня Дмитриенкоというロシア人のアーティストでした。

これからもたまに、Ваняの曲のことを書こうと思っている。ロシア語初心者の私が、歌詞の意味を調べたり、何度も聴きながら少しずつフレーズを覚えるようになったり。そういうのも、せっかくだから残しておきたい。

何より、私をアルマトイまで連れていった張本人なので。

しばらく、この人の名前はみぽん書紀に出てくると思います。お付き合いくださいませ。

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